
日本からバンコクを訪れていた東京交響楽団の皆さまによるマスタークラスを開催しました
バンコクの街中に赤いバラを手に歩く人が見られた2月14日。 タイのバレンタインデーは、男性から女性に赤いバラの花やプレゼントを贈るのが一般的なのだそうです。女性から男性にチョコレートをプレゼントするのは、日本だけなのかもしれません。 そんな中、クロントイ・スラムのイマヌエルオーケストラの練習場にも素敵なプレゼントが届けられました。
日本からバンコクを訪れていた東京交響楽団(以下、東響)の4人の奏者の皆さまによるマスタークラスが開かれたのです。

まず、イマヌエルオーケストラが演奏を披露。一流の演奏家を目の前に、やや緊張している表情の子どももいました。その後、東響の4人の先生方からのわかりやすい説明で、子どもたちの演奏はみるみる素敵なものに変わっていきました!
なぜ東京交響楽団の方がイマヌエルの指導に!?と思われた方もいるでしょう。実はこのご縁は2023年10月のイマヌエルオーケストラ初来日公演がきっかけでした。その後、日本芸術文化振興会が募集した<新たなオーケストラ支援事業>プロジェクトとして、東響のアジアを拠点とする新たな取り組み「東京交響楽団アジア・プロジェクト」が2024年2月に採択され、その活動の中でこうしたご支援をいただけることになったのです。
この日、バレンタインデーイベントでの演奏のために外出していたメンバーも多く、私があまり見かけたことがない子どもたちも多く参加していました。まだまだ幼い子もいて、途中からあくびが出てしまう姿もあり、周りの大人たちから失笑が漏れていましたが、後半の選抜チーム4人に対するマスタークラスでは、一人ひとりにプロの演奏家がつき、細かなアドバイスをいただくことができました。 子どもたちの緊張した真剣な表情と、それを和ませようとする演奏家のみなさまの優しい心遣いにも触れることができました。
最後に、東響メンバーによる演奏もご披露いただきました。この秋、もしかしたら日本でまた一緒に演奏させていただく機会があるかもしれません。日本公演のオーディションに向けて、子どもたちもさらに頑張ろうという意欲をかき立てられたに違いありません。
2回目の日本公演は、2025年10月の開催に向けて準備中です。
決まり次第、皆さまにご報告させていただきます。
最後になりましたが、お忙しいスケジュールの中、イマヌエルの子どもたちの指導にお時間を割いていただいた東京交響楽団の楽団長廣岡克隆さまほか5人のみなさまに心より感謝申し上げます。
Photos by Yasuko Tabata
(報告:松井亜起)